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BodySuit

BodySuit (ボディスーツ)


エレクトロニック・デバイス(電気装置)によって、身体ははたして拡張できるか?バーチャル(仮想)な身体とリアル(現実)の身体は、はたして二元的に対立するもであろうか?それともそれぞれを超えて、時間と空間の状況によってつねに変遷するものなのであろうか?人間の身体とは、そして、身体と人間のアイデンティティーとの関係性は一体何であろうか?これらの問いかけに対して、BodySuitでのパフォーマンスの中で必然的に答えを見出すことになるであろう。

 

 


1. イントロダクション


BodySuitを着たパフォーマー(奏者)は身体の動きによってサウンドや映像を操作するが出来る。BodySuitは動きを認知するモーション・キャプチャーのシステムであるるし、身体による楽器とも言うことができる。例えば、腕を曲げのばししたり、ひざを動かすことによって、サウンドを発することができるし、手首や足首を曲げのばしすることによって、映像を変化させることもできる。例えば、フルートやピアノのように、従来の楽器は指、手や、口と息によって演奏するものがほとんどであった。また、そこでは必ず物理的な楽器の限定が存在する。BodySuitは、物理的な楽器を伴わないことによって、いわゆる楽器の限界にはとらわれない。つまり、楽器の演奏のための身体部分が指や唇に限られることはなく、また、動作に関しても限定されない。従って、楽器の演奏方法は身体が動く部分である限り無限である。つまり、通常の楽器と異なった身体の動きを用いることによって、それによって発せられるサウンドも新たな可能性を得られることができる。BodySuitでは、例えば、それぞれの肩をまちまちに上下させることによって音階を通常の楽器ではできない速度で、しかも上下あらゆる方向に同時に演奏することもできる。足で強く床を蹴ることによって、打楽器的な衝撃音も発しながら、その音色を手首の曲げ具合で変化させることも可能である。取り分け、このBodySuitでは身体の動きを強調しながら、音楽表現、または、映像を操作することに有効である。つまり、例えばダンサーがこのBodySuitを着ることによって、ダンスをしながら音楽を演奏することができる。従来では背後に流れている音楽に対して、ダンサーはそれに対して合わせることを強要されてきたわけであるが、このBodySuitを着ることによって、ダンサーであり演奏家としてパフォーマンスすることが出来る。さらに、映像に関しても同様だ。このような新たな演奏形態は、さらに新たなパフォーマンスの可能性へと導いてくれることになる。

 

 


2. BodySuitのテクニカルな解説


両腕の手首、ひじ、肩、両足の足首、ひざ、ももたの付け根の関節部分にそれぞれセンサーが合計で12個取り付けられている。センサーは関節の曲げ具合によって電気信号を変化させる。センサーからの電気信号はIRCAMのAtoMic ProによってMIDI信号に変換され、さらに、MIDIインターフェスに繋げられる。Cyclingユ74のMaxによってシグナルはコンピューター内で音楽用のデータに変換され、リアル・タイムでMSPによるサウンドの合成、Jitterによってビデオの映像を変化させる。12個のセンサーを同時に扱うことは、実際にはパフォーマーにとっては容易なことではなく、また、特にダンサーにとっては身体の動きを考慮しながら、サウンドを十分に制御するのはたやすいことではない。そこで、コンピューター内のプログラミングの助けをかりる必要がある。例えば、Max内ではマッピング・インターフェースと呼ばれる、入力されたデータをサウンドやアルゴリズム生成のために適切な数値に変換するプログラミングの部分によって、それぞれのチャンネルのオン/オフ、それぞれの数値にスケーリング、変化の具合、または、ニューラル・ネットワークのような高度なプログラミングの技術によるインテリジェントな制御を行う必要がある。また、人間の身振りと、サウンドの関係性も重要な点である。身振りに対するサウンドが単純過ぎる場合には音楽的に不十分になるケースが多く、また、複雑過ぎる場合には、身振りとサウンドのインタラクティブな関係性は判別しにくい。このように様々な状況と、作曲の上での構成方法によって、適切にサウンドのプログラミングの手法を判断する必要がある。


3. 応用例と作品


上記のように身体の動きに対するサウンドとビデオを、インタラクティブに反応させるパフォーマンスに最も威力を発揮することができる言えよう。取り分け、ダンサーがBodySuitを用いることによる身体性と音楽の関係はとても興味深いことである。
作品のo.m.2 ミ g.i. ミ p.p.はIRCAMにて1998年に制作された。身体の動きとサウンドの関連性を作曲の上で試みられた作品である。この関係性を最も明確で適した形で扱うために、静と動のセクションが交互に繰り替えされるシンプルな構成が考えられた。このような明確なフォームを用いることによって、音楽的に穏やかな部分は身体の動きも緩やかになり、動的な部分は敏速な動作、強い動作などによって、サウンドを作り出すことなど、身体性とサウンドのインタラクションの探求をさらに深めることが考慮されている。
ちなみに、このタイトルは、o.m=Onomatopoeia (擬声音)、montage(編集、切り張りしたような連続的なブロック構成)、これらの要素は作品の中で明確に見受けられる、2=(第2バージョン)、g=granular(グラニュラー)、i=interpolation(インターポレーション)、p.p=polyphase(複数の層となった段階)のアイデアにより基づいている。

 


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