Hypnoid
クレジット :
Suguru Goto (アート・ディレクション、コンセプト、プログラム、Kinect開発)
Chiharu Otake (ダンス)
解説 :
ダンサーの動きはモーション・キャプチャー・システムであるKinectにより認識され、仮想空間にてアバターに変換される。アバターはダンサーの動きにより動作し、同時にサウンドと映像がリアルタイムに合成される。ダンサーとアバターは一緒にステージ上でパフォーマンスすることによって、全く同じ動きをする現実空間のダンサーと仮想空間のダンサーが同時に共存することになる。
この作品では、ステージ上でのパフォーマンスが主な形態であるが、ダンスの形態でもあるし音楽のパフォーマンスでもありうる。身体の動きはバーチャル・ミュージカル・インストゥルメントとして楽器になりうるし、リアルタイムで同時に映像も合成する。それ故、一つの動作が同時に複数の要素を作り出すことができるのである。
ダンサーの身振りはKinectによって認識され、そのデータはサウンドと映像を作り出すためにopenFrameworksとMaxに送られる。OpenNIはKinectのために用いられ、OenGLは映像のために用いられている。全てこの作品のために新たにプログラムされた。
このタイトルのハイプノイドは催眠状態を意味し、覚醒状態でありながらもほぼ睡眠状態であることを意味する。現実空間に存在しながらも、いわゆる「仮想空間」と関連することができる。これは拡張空間(オーギュメンティッド・リアリティー)とは異なる。つまり、現実生活の空間にいながらも、特別の時間と空間を経験することができるものである。これにより我々が存在している社会や日常の本来の意義を再認識することもできるであろう。
作者は、生の身体と拡張された身体、人間とマシン、現実空間と仮想空間の共存などのテーマに基づいた作品をこれまでに制作している。パフォーマンス、インタラクティブ・インスタレーション、特に音楽がこの課題によって創造されている。この作品においても、生の身体と、仮想空間にての映像上のアバターとして厳密に再生されている身体の関係性に基づくアイデアによりインスパイアされている。
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